吉 兆 神 事
 


 毎年1月3日は地元大社町の氏子たちの奉仕による「吉兆(きっちょう)神事」が賑々しく執り行なわれます。
「吉兆さん」と呼ばれて親しまれているこの伝統神事は、「歳徳神」と刺しゅうされた4〜6メートルの大きな幟旗を立て、新年を祝う「大社神謡(しんよう)」を歌って一年の幸せを祈り合います。吉兆神事のはじまりは定かではありませんが、江戸時代中頃には行なわれていたようで、大きな幟旗は1年の福徳を司る歳徳神の依り代です。
 大社町には子供吉兆を含めて15組の吉兆組があり、当日は早朝より各組の氏子たちが総出で繰り出し、笛や太鼓が奏でる吉兆囃子と共に出雲大社を参拝しました。出雲大社では御仮殿前や神楽殿前、そして宮司家である千家國造館にて吉兆の幟旗を立てて神事が行なわれ、その優雅な風景に訪れた多くの参拝者が暫し足を止めて神事の様子を見つめました。出雲大社での吉兆神事奉納後には各組の町内を練り歩いて新年の福徳が授けられました。
  

 また、正月の風物詩として金襴の神楽衣装を身に付け、鬼の面をかぶった「番内(ばんない)」が吉兆行列を先導します。この番内は新年の除災招福を担う役割を持ち、厄年の男性などが番内に扮します。そして青竹の先を裂いたササラ竹を引きづりながら家々を回り、玄関先などで「あくまんばらい(悪魔払い)」と叫びながらササラ竹を地面に叩きつけて邪物を払います。
 吉兆神事当日は冷たい雨の降りしきる寒い日となりましたが、新玉の福徳を招く伝統深い神事の奉納に、境内は清々しい新春の神気に包まれました。
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